2016.01.27
ニュース
民事再生を選択する際の留意点② 次に,大切なのは,従業員・取引先の協力です。従業員の協力の問題は微妙です。会社を窮地に追いやったということで,従業員の経営者に対する信頼は低下しています。従業員のマインドは下がります。私も,民事再生の申立代理人として,また,裁判所から選任された監督委員の立場において,実際に,経営者に対する率直な不満,不信感を耳にします。
他方,従業員も仕事に対するプライドもありますし,顧客や仕入先・外注先に対する責任感も持っています。自分から「がんばろう」と思う従業員も多いです。不満も言わず,黙々と取引先や債権者に頭を下げ,職務を全うする従業員も見ていると心が熱くなります。ポイントは経営者の事業再生への意欲です。従業員はそこを見ています。「経営者は本気である」「経営者の事業再生に対する貪欲さは驚く」と思わせてしまえば,最終的は,従業員はついてきてくれると思います。
取引先には,サービスやモノを購入してくれる顧客と会社に対しサービスやモノを提供してくれる仕入先・外注先があります。前者は,会社のサービスやモノを必要か否かにかかっています。必要であれば,顧客は取引を継続してくれます。上場会社は,容赦なく切るのではないかと不安を持たれる経営者の方もありますが,実際に,上場会社にも取引を継続していただくことが多いです。他方で,仕入先・外注先は事情が異なります。彼らの買掛金は,再生債権となって配当を受けるだけになりますので,「損をしながらも協力せよ」ということになり,仕入先・外注先にとって誠に厳しい選択となります。損をした相手との取引はしないという方もおられますが,「損は損,今後の取引で挽回する」という,将来志向の方も多く,会社の申立代理人として大変ありがたく思うことも多いです。
取引先には,サービスやモノを購入してくれる顧客と会社に対しサービスやモノを提供してくれる仕入先・外注先があります。前者は,会社のサービスやモノを必要か否かにかかっています。必要であれば,顧客は取引を継続してくれます。上場会社は,容赦なく切るのではないかと不安を持たれる経営者の方もありますが,実際に,上場会社にも取引を継続していただくことが多いです。他方で,仕入先・外注先は事情が異なります。彼らの買掛金は,再生債権となって配当を受けるだけになりますので,「損をしながらも協力せよ」ということになり,仕入先・外注先にとって誠に厳しい選択となります。損をした相手との取引はしないという方もおられますが,「損は損,今後の取引で挽回する」という,将来志向の方も多く,会社の申立代理人として大変ありがたく思うことも多いです。